はなと
障がい者雇用

実際の就労事例と
就労移行支援会社のご紹介

インタビュー

実際に障がい者雇用として働く方に、インタビューをしました。

うつ病と双極性障害に苦しんだ10年間

音楽関連の専門学校を卒業後、ライブハウスに勤めていたTさん。10年ほど勤めた30代初頭に、姉妹店を出店するという話が持ち上がり、そのプロジェクトで陣頭指揮をとることになりました。ライブハウスに適した建築構造を考えるところから始まり、内装や機材の導入、広告宣伝、スタッフの教育など約1年間、夜中まで残業が続く日々が続きました。姉妹店では店長となり、オープン準備期間と変わらず、毎日忙しい日々を過ごしていました。しかし、なかなか売上が上がらず、経営難に陥っていく状況からストレスとプレッシャーが蓄積されていったそうです。
そして、オープンから1年半ほど経ったある日、布団から起き上がることができなくなりました。その後、病院で受診すると「うつ病」という診断結果でした。

仕事を休職し、療養生活に入りましたが、人生を悲観して苦しんだり、時には自らの命を絶つことを考えたこともあったそうです。10年以上勤めた音楽の仕事からは退きましたが、やがてうつ病が寛解し、予てから仕事で行っていたデザインのスキルを活かし、制作会社に就職することが出来ました。しかし、会社にはうつ病を抱えていることを公表せず、また、毎日終電近くまで残業を繰り返した結果、今度は「双極性障害」を発症し、退職することとなってしまいました。

就労移行支援に通い、
就職することに前向きに

障がいの再発に不安を感じ、なかなか就職活動に踏み込めない中、テレビの情報番組で長い間うつ病を患う男性が就労移行支援LITALICOワークスという障害福祉サービスに通った末、就職に成功したという特集を見て、すぐにLITALICOワークスに申し込みました。
LITALICOワークスでは、チームで作業訓練に取り組んだり、農業実習に行ったり、デザインのスキルを活かしてセンターの掲示物を作成するなど、新たな価値観や技術の習得、またスキルを磨くことを積極的に取り組んでいったそうです。体調も安定し、大手出版社の企業実習でも高評価を得ていたので、就職もすぐ決まるのではないかと思われていたTさんでしたが、思うように進みませんでした。
コロナ禍で求人が例年より少なく、応募する求人を探すのには苦労しました。オンライン説明会に参加したり、希望職種の企業をネットで調べ上げてリスト化するなど、そんな状況下でも少しでも応募できる可能性を探ったと言います。制作会社やイベント関連企業に勤めたいけど、違う業種に切り替えたほうがいいのか。
気持ちは揺れ動きます。

はなとの出会い。自分らしい働き方

はなと出会ったのは、思いもよらないことだったそうです。
LITALICOワークスのスタッフさんからイラストレーターを使った業務の実習がある企業があるが参加してみないかと紹介されたことが、はなとの出会いでした。はなは制作会社でもイベント関連の会社でもありません。希望に沿う仕事ができる会社なのか、そんな不安がありました。企業見学も済ませ、実習前の顔合わせでは、一緒に業務に取り組む社員の方と談笑する場面も。
「Tさんはカレー好きですか?会社の近くにおいしいカレー屋さんがあるんですよ。一緒に行きましょうね!笑」

この会話がとても印象的ですごく和んだとTさんは笑って言います。
そして、さらにこう続けます。「実習はとても気持ちの良い時間でしたね」
チラシのデザインの課題を提出する度に驚いてくれたり、業務上の改善策の提案を快く聞いてくれたりと、実習中に自分が必要とされていることを実感できたそうです。
「結局、5日間の実習期間中に2回もカレーを食べに行ったんですよ。食べすぎですよね!?笑」
自分が必要とされる会社で働くということも、自分にとっては幸せなことなのではないか。実習を経て、はなへの志望動機が定まったそうです。面接では、会社にどのようなことで貢献できるのかをアピールし、採用いただくことができました。もちろん今回はきちんと特性を公表し、合理的配慮も承認してもらい、障がい者雇用として採用されました。現在、はなの基幹事業である訪問看護や葬祭の印刷物やWEB素材のデザインなどを行う傍ら、業務改善や新規出店プロジェクトのチームメンバーに加わるなど、多岐に渡って活躍しています。

LITALICOワークスにて、障害のある方々の就職のサポートを6年程させていただいてきていますが、「この方は何か違う」「今までの障害者雇用の枠を超えていく方だ」と思っていました。
枠を超えていくとなりますと、今まで通りの定型のやり方では物足りず、ご本人がより輝ける職場や業務内容について、ご本人や弊社内のスタッフとも、一緒に模索していたのがとても懐かしく感じます。ついこの間まで、就活のサポートをさせていただいていた方が、入社後数か月の間にプロジェクトで企画・立案・対応までされ、あっという間にご入社した企業様に貢献されていることを知り、支援者として大変嬉しく思います。
今も障害者雇用の古いイメージを変えるようなポテンシャルをご本人から感じております。ぜひこのまま走り続け、LITALICOワークスの希望の星として輝くことで、あとから続く後輩たちの道しるべとなっていただけたら、と思っています。一緒に社会を変えていきましょう!