インタビュー
訪問看護師フレッシャーズThe Freshers
訪問看護師は、病棟看護と異なり看護技術に加えて様々なキャパシティが必要となり、その分やりがいや自分の能力をさらに発揮できる職業です。今回は、病棟で看護師としてキャリアを積んだ後、はなで訪問看護師としてキャリアを積み始めた2人に現在の仕事内容や、現場の様子などを教えてもらいました。
小柳 飛鳥(こやなぎ あすか)
訪問看護師
2021年4月入社
幾橋 誠志(いくはし さとし)
訪問看護師
2021年4月入社
はなに入職したきっかけを教えて下さい。
幾橋
もともとはなに、友人や先輩が多くいたのですが、その方たちから紹介をしてもらいました。数年前より在宅医療に興味がありましたが、大学病院はなかなか直ぐには辞められないので、2〜3年経ってから辞め、この度入職しました。
小柳
最初に転職した病院の先輩がはなに入職していて、その後、私も先輩に誘われて入職しました。丁度、転職活動をしていた時期で、色々と話を聞く中で訪問看護に興味を持ちました。
今まで経験された病棟と仕事内容、
現在に役立っていることを教えてください。
幾橋
もともとは消化器外科の急性期、心臓血管外科の慢性期(リハビリをするような)の病棟で約8年間勤め、手術前後の管理をさせていただいておりました。消化器外科の患者様は末期がんの方が多く、在宅医療を望まれる方も多い中で、緩和ケアの研修を受けたこともあり、その知識は今の職場でも活かせているのでないかと考えております。
小柳
1年目は救急センターとHCU(高度治療室)で、急性期でオペ後の患者様や重症患者様、救急搬送後の患者様をメインに看護ケアを行っていました。そこでアセスメント(※1)力を身に着けたおかげで1人で訪問をする際もバイタルサイン(※2)や全身状態からアセスメントを行うことが出来ているのかと思います。2年目から4年目までは内科の混合病棟で働いて、慢性期の患者様のケアや、ご家族の指導などをメインで行っていました。患者様がどうやったら家に帰れるか?などを考える時に、訪問看護師さんやケアマネージャーさんと関わった事が、現在疾患に対する指導やアドバイスを行うことに活かせていると思います。5年目ではなに転職をしました。
(※1)看護計画を作成するために、患者の状態を分析・評価すること。
(※2)脈拍、血圧、呼吸、体温の4つの指標。
病棟勤務との違いや、
在宅だからこそのやりがいはありますか?
幾橋
病院では患者様一人ひとりに費やせる時間が少なく、流れ作業になりがちでした。在宅では患者様や家族の方とゆっくりお話やケアができ、それを通して関係性を構築できるのはとても良いことだと思いました。また、自分自身もよく話すようになりました。
小柳
ご利用者様一人ひとりに時間をかけてじっくりケアを行うことができることです。病棟で働いていた頃はナースコールに追われたり、重症度が高い患者様のケアに時間をかけなければいけなかったですが、在宅では訪問時間内に訪問しているご利用者様やご家族だけに時間を使い、お話をして向き合うことが出来ています。
その中で一生懸命考えた看護計画を行い、家族や利用者本人から「ありがとう」と言われることはとても嬉しいです。
これまでの印象的なエピソードを教えてください。
幾橋
ご家族の協力のもと、ほぼ毎日シャワー介助させていただいていたご利用者様がお亡くなりになった時に、最後はお会いすることが出来なかったのですが、後日ご家族の方から「ご挨拶がしたい」とご連絡を頂き、訪問した際にお礼の言葉をいただきました。お亡くなりになられましたが、感謝のお言葉をいただいたときは自分もうれしくなりました。
小柳
携帯で地図を見ながらお宅へ訪問するのですが、訪問先が全くわからずに訪問時間に間に合わなかったことがありました。病棟勤務では絶対にない事なので、「ザ・訪問」だなと思いました。笑
あと、点滴投与の際にハンガーとS字フックを使用していたところです。病棟では必要な物品が常にあるため、迷わず点滴棒を使用していましたが、在宅ではご自宅にあるもので工夫をしながらケアや処置を行っていく必要があるので、最初に見た時は驚きと感動を覚えました。
患者(ご利用者様)・ご家族に対するメンタルケアで心がけていることは?
幾橋
話すときや説明するときは声のトーンに気をつけ、わかりやすい言葉を使ったり、話を聞く時は相槌をうつようにしています。
病院だと、どうしても看護師や医療者が主導権をにぎりがちですが、在宅を望まれる方は、そういうのが嫌だと感じて在宅を希望する方が多いので、なるべくご本人やご家族の意思を聞き入れるようにしています。病状説明など医師からどのように受けているのか事前に情報を取り、医師から聞いていない、看護師から初めて聞いた、など混乱を招くようなことがないようにヒアリングしています。
小柳
ご利用者様、ご家族と話す時間を作ることです。お話をすることが一番のメンタルケアであると考えるためじっくり傾聴し、ともにケア内容を考えていくことです。また、往診の際はケアマネージャーとも連携を取り、ご家族の不安を共有し職種ごとに行えることは何かないかということを考えています。
オンコール(※)について、
普段自分が担当しない方も対応すると思いますが、
その際に気を付けていることはありますか?
幾橋
まず事前に情報収集をします。急を要する時は調べている時間も少ないので、実際に訪問してからご利用者様、ご家族からも情報を収集します。初めて伺うことがほとんどになるので当たり前のことですが、マナーにも気を付けます。会社を代表して訪問するため会社や事業所の印象にもつながると思うので、電話対応をしていて「行くか迷ったら行こう。」と先輩に言われたことがあるので、基本的に訪問するようにしています。
小柳
オンコールは担当しておりません。会社が希望をとってくれたので、希望しませんでした。
※急患時の対応役として待機すること。
幅広い知識が必要だと思いますが、
どのようにスキルアップをはかっていますか?
幾橋
恥ずかしながら、初めて聞いた難病や疾患の方がいらっしゃるので、初めて訪問する方などは事前に情報を収集したり、疾患の予習をして少しずつ知識を蓄えています。また先輩方のケアを参考にしながらご利用者様にあったケアを提供できるようにスキルアップを図っています。
小柳
本を読んだり、インターネットで調べたりしています。
しかし、在宅に関する情報などがあまりないことや、個別性が重要視されることから、あまり情報が活用されないこともあります。なので一番スキルアップになるのは自分より長く働いているステーションの先輩に相談して知識を盗んでいくことや、現場で学ぶ事だと思います。
ステーションの雰囲気はどうですか?
小柳
病棟とは全然違います。リハビリスタッフ、看護師、ケアマネージャーなど多職種が同じステーションにいるため、ギスギスした感じなどはなく和気あいあいとしています。
また、分からないことなどは直ぐに質問できるような雰囲気があります。病棟だと看護師特有かもしれませんが、「勉強してきて言ってるの?」などと言われることが多々ありますが、訪問の場合、ケアマネージャーとの連携やご家族との対応など調べてもあまり出てこないことが多くあるため、質問すると皆さん快く答えてくれます。
どういう訪問看護師を目指していきたいですか?
小柳
幅広い知識を持った看護師になりたいと思います。 訪問看護では内科、外科というような大きな振り分けはなく、多くの疾患があるご利用者様を訪問することがほとんどです。そのため偏った知識ではなく、ご利用者様の不安や疑問に対応出来るような幅広い知識が大切になります。
日々の勉強だけではなく、先輩の経験を元にした対応や個別性を考慮した看護が行える看護師になりたいです。
幾橋
ご利用者様、ご家族、スタッフを安心させられ頼られる存在の訪問看護師になりたいです。また、これから訪問看護師を目指す方や、後輩もできると思うので見本となれればいいなと思います。
これからはなに入職する方へメッセージをお願いします。
幾橋
これからさらに在宅医療の需要が高くなると思いますし、実際に訪問看護師が足りていない事業所もありますので、やる気のある方は是非入職をお待ちしています!そして、安心・安全に在宅生活が送れるように、僕たちと一緒に在宅医療を盛り上げていきましょう。
小柳
訪問看護は仕事内容がイメージしにくいところもあると思いますが、看護師の技術や知識を充分に発揮できる場所だと思います。働いたら、働いた分だけお給料に結びつくのも魅力です!
是非一緒に働きましょう!