はなと
障がい者雇用

ニャムルハグワ アリオントール

2020年6月入社
人事部 人事課

インタビュー

現在、「障害者雇用促進法」という法律があり、その中で定められている制度の1つに、
自治体や企業に対して一定の割合で障がい者を雇用することを義務づけた「障害者雇用率制度」があります。
企業には、法定雇用率以上の割合で障がい者を雇用することが義務づけられています。
民間企業は雇用率2.2%とし、社員が45.5人以上の企業であれば、 障がい者を1人以上雇用しなければならない制度があり、
2021年3月からは2.3%に引き上げられています。

01.障がい者雇用を始めようと思ったきっかけは?

株式会社はなの従業員数は2021年1月末現在286名の在籍となり、制度の対象企業となります。この制度をきっかけに人事部として障がい者雇用の必要性が高まり、雇用を進めるための準備を始めました。しかし、弊社としても初の試みでもあり、障がいを持っている方に対しての知識もなく、社員の協力や理解も浸透していないと感じており、上手く受け入れられるか不安がありました。

そこで就労支援事業所などに訪問して色々なお話を聞き、メディアなどを介して勉強しているうちに障がい者の社会進出に関する特集も多く、世の中の関心も高いことに気づきました。社員の理解や協力を得るため情報公開を積極的に行ううちに、弊社でも受け入れられる体制が整い、現在の雇用に至っています。

02.現在の障がい者雇用人数と主な業務内容は?

2020年10月ごろから採用の準備を始め、実習の受け入れが2021年2月から始まり、同年3月から正式に雇用を始めています。2021年6月現在、知的障がいの方が2名、精神障がいの方が4名、身体障がいの方が1名になります。支援事業所にて研修をしていた方々なので、当初の不安が嘘のようにスキルの高い方が多く、即戦力として勤務をしています。仕事や雰囲気に慣れるまでは非常勤にて勤務いただいていますが、常勤社員として働けるよう環境づくりや労務内容の精査を進めていきたいと考えています。

業務内容は障がいの特性と向き合い苦手な分野を見極めて、障がいの特性を生かした業務をお任せしています。例えば知的障害の方はルーティンが得意な方がいますので、その方には書類整理や発送業務などをお任せしています。精神障がいの方にはマルチタスクが難しい方もいるので、集中してできるようひとつの業務、例えばデータ入力のみなどをお任せしたりしています。またデザインが得意な方もいますのでクリエイティブ分野をお任せしたりしています。身体障がいの方はなるべく身体に負担がかからないようお客様のところへ出向き、契約書や見積書の対応をお任せしています。

03.一緒に働く上で大切にしていること

障がいを持っているからといって、特別扱いはせずに他の従業員と同じように接することを大切にしています。もちろん特性や配慮すべきところは配慮しています。障がいの特性が一人一人異なるため、業務についてはその方にあった内容になっているかなど、ちょっとした変化に気づくように声かけをしたり、定期的に面談を設けたりしています。そして、支援事業所の方と密に連絡を取り、助言をもらいながら障がいを持った方が楽しく勤務でき、長く勤めて欲しいので、負担がかからないよう気を配りたいと考えています。

皆さん仕事に対して前向きで「こんな仕事もしてみたい」と積極的に業務へ取り組んでいて、周りに良い影響をもたらしています。また新しい仕事へ取り組む際には、教える方は障がいについての理解や業務の振り返りもでき、障がいのある方は新しい業務を任せられることにより更に積極的に取り組むなど、お互いに良い相乗効果を得られていると思います。

04.雇用を促進する上で良かったことや苦戦したことは?

良かったことは沢山あり、特に障がい者の方は色々と細かいことに気づかれる方が多く、私たちでは気がつかないことに対して「ここはどうなのだろう?」と問題点や課題を見出し業務改善につながることが多々あります。 また苦戦といいますか、障がいを持った方への接し方について「どこまで話しかけていいの?」、「どういった対応をしていいの?」、「その方の特性が分からない。」などという質問が寄せられました。こちらの準備不足もありました。ただ、弊社は医療職の資格を持っている社員が多いため、社内研修をおこなうことにより理解や協力体制がスムーズに進みました。いろいろな特性を持った方がいて当たり前の会社になることを望んでいます。

05.採用時に心がけていること

採用面接の際、一緒に働くにあたり障がいの特性や配慮事項があることは必ずヒアリングをします。特に障がいの症状が出たらどう対応していいのか、社内で対応できる範囲か、症状の初期症状に周りのスタッフが気付かなかったら、ご自分から発信できるのかなどを聞いて採用を進めていきます。殆どの方がご自分の症状を理解されていて説明ができますが、中には難しい方もいらっしゃいます。そのような方は支援事業所の方より説明があります。また、どのような業務が得意なのか、苦手なことはないのかなど細かく聞くようにし、できる限りその方に応じた環境を作ることを大切にしています。

06.障がい者雇用における今後の展望や目標

目標は障がいを持った方が「ひとり」にならないような環境を整え、各事業所、店舗に障がいを持った方を1名以上の配置を目標にしています。
弊社は医療職の方が多いので、障がいを持った方への理解度や関わり方は対応可能だと考えています。障がいを持った方が、楽しく自信を持って働いていける環境づくりを更に進めていきたいと思います。

はなの社員はとても明るく、優しくて、親身になってくれる方が多く、良い意味で上下関係が厳しくないので、とても風通しが良く意見が言いやすい会社です。また先にも話ましたが、医療職の方が多いので障がいを持った方への理解度が進んでいる会社です。
障がい者雇用を進めていく根底には「共生社会」の実現という理念があります。障がいに関係なく、 希望や能力に応じて誰もが職業を通じて社会参加ができる「共生社会」を目指している株式会社はなでご自分の能力をぜひ発揮していただければと思います。

はなの障がい者雇用とSDGsの取り組み

世界で取り組む課題となっているSDGs。
17の目標と169のターゲットのうち、弊社では2021年より新しく注力している項目が2点あります。
sdgs_no8

目標No.8-5

「2030年までに、若者や障がい者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。」

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目標No.10-2

「2030年までに、年齢、性別、障がい、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。」

この目標に取り組むべく、弊社では2021年2月より積極的に障がい者の実習の受け入れと雇用を開始しています。事業を通して地域の方たちに寄り添ってきましたが、理念に掲げる「信頼と寄り添う心」の精神で、これからも社員一人ひとりが障がい者について理解し、関わる全ての人々の個性や長所を生かせる職場環境を目指します。